楽天、また日本代表の抑えピッチャーとして、活躍を続ける松井祐樹ですが、
本当にこのまま抑えのままでいいの?
そんな疑問を持ったので、松井祐樹の抑え是非について考察していきたいと思います。
入団二年目で抑えに転向
高卒入団の松井は、ルーキーイヤーから1軍でガンガン投げています。
今となっては抑えのイメージが強い松井ですが、高校・そしてプロ1年目までは先発でした。
1年目のシーズンでは、主に先発で、
116回 防御率3.80 4勝8敗 126奪三振
の成績を残しています。
悪くない・・・。いや、むしろかなり良い・・・。
高卒1年目でこの成績は、めちゃくちゃ優秀です。
この防御率3.80という成績は、ヤンキース田中将大がルーキーイヤーに記録した防御率3.82を上回っています。
大げさに言うと、田中将大になれるポテンシャルを持っていた選手だということになります。
なので先発としてダメだったから抑えに転向したというよりは、
先発として順調だったのに、何故か2年目は抑えで起用された、ということです。

出展:wikipedia
何故抑えに転向した?原因はデーブの・・・
楽天ファンにはトラウマかもしれませんが、入団2年目のシーズンで監督に就任したのは、
デーブ大久保氏でした。
デーブ大久保氏は様々な改革を行いましたが、その改革の一つとして、松井祐樹の抑え転向がありました。
その理由は、その年広島からミコライオ投手を獲得しており、
セットアッパーミコライオ⇒抑え松井祐樹
この磐石の流れを作りたかったからだといわれています。
当時松井の抑え転向は賛否両論ありましたが、その年松井は圧倒的な成績を残しています。
72.1回 防御率.0.87 33セーブ 12ホールド
MVPを獲得した中日の浅尾に近い成績ですね。
しかしこんな成績を残したことで、この年の松井の負荷は大きく、かなり酷使させられたという事実も忘れてはいけません。
今後も抑えで行くの?
日本代表でも抑えピッチャー候補として選出されている松井ですが、今後も抑えとして起用していく方針なんですかね?
個人的にはあまり納得できないです。
何故なら松井に関しては、
抑え適正があるから抑えしている、というより先発出来るけど抑えも出来るというピッチャーのように思えるからです。
この違いはかなりでかいですよね。
チーム事情(抑え不在なら抑えで、先発不在なら先発で)で使い方を分けられてしまうわけですから。
本人のための起用ではないように思えます。
実際、抑え転向2年目は
62.1回 防御率3.32 30セーブ 10ホールド
と前年からかなり成績を落としています。
これは、前年の酷使や日本代表での出場等、”投げすぎ“による疲労がたまったからだと推測されます。
スタミナがあるのは高校時代の実績から証明されてますし、実際ルーキーイヤーも完投も記録しているので、先発でもやっていけるのは間違いないと思うんですけどね。
出来れば、松井には先発投手として頑張って欲しいと思うんですが、今後はどうなるんでしょうか。
皆さんは、どう思いますか?
コメント
同意見です。
もちろん、松井抑えの方が向いているとも言えます。全力投球&奪三振型と、これ以上にない程スタミナ消費が激しいピッチングスタイルなので…。
しかしそのスタイルにも関わらず、高校時代の松井は150球完投を続けても最後まで三振ペースを落とさない程のスタミナお化けでした。
高校生の投手は大体終盤で三振が減ります。
最近では現ライオンズ・高橋光成が、甲子園制覇した時の初戦でそうでした。(5回9K→4回4K)
甲子園の連戦では、暑さと肩の酷使の中で奪三振型のプロ注目投手が三振を取れなくなってしまいます。
松井は唯一この2つの兆候が見られません。
夏の甲子園では初戦から敗退するまでの4戦で、22K(5回11K→4回11K)→19K(5回10K→4回9K)→12K(5回4K→4回8K)→15K(5回8K→4回7K)となっています。
ボールに目が慣れ、研究され、また自分のボールはキレを失っていく状況下で、後半も三振を積み重ねるということは特に難しいことです。
長いイニング、ベストに近いボールを投げ続けられる彼ほど、先発として才がある選手はいません。
また、彼は得点圏被打率が著しく低いです。
2015年の成績では、通常時の被打率2点台よりさらに半分の被打率1点台となっています。
よくピンチに強い投手はリリーフに回されますが、先発適性がある投手は別の話だと考えていいと思います。
いくらいい数字でも、安定してその結果を出すためには試行回数が多く必要です。
ゲームの7割を支配すると言われる先発投手としての役割に求められるのは、安定感です。
試行回数(ここでは球数やイニング)が多い先発投手として、彼を抜擢することはゲームを安定させることに大きく期待できます。
他に、投手としての観察眼・器用なピッチングも見事です。ご存知、彼の伝家の宝刀・縦スライダーを対策するチームはこれまでたくさん出てきました。
甲子園2回戦・常総学院戦では、松井の投球と同時に、打者が打席の中で投手よりにステップしながら、変化際を叩こうとしていました。このステップからその狙いに気づいた松井は、わざとスライダーを、さらに手前に投げたそうです。これは最終回の先頭打者からの2人との対戦を見ればわかります。明らかにベース手前のワンバウンドボールを振らせています。
3回戦・浦添商戦では、ノーステップ打法を使われました。鋭い縦変化に対応できるように、目線がブレないよう、ステップなしで打つという作戦でした。
8回、照屋がこのスライダーを上手く叩き、この夏唯一の松井の被弾となりました。
この打法の前に松井は「小さな変化」と「緩急」の要素をピッチングに取り入れ、ツーシームと、当時そこまでのキレのなかったチェンジアップを要所で使い、「縦スラ」のイメージとはかけ離れた別人のような投球スタイルを見せてくれました。
終盤は一球投じたフォークを伏線に、高めのまっすぐでバットをうまく差し込み、8、9回の6つのアウト全て三振に打ち取りました。
彼のような観察眼と器用なピッチングがある投手が一球でも多く投げ続けることで、チームに大きく貢献することができる思います。
何より、高卒1年目から先発として100イニング以上投げ、奪三振率が10に迫っていた投手は江夏以来だそうです。
動くボールが流行りミートが上手い打者がひしめく今の時代で、彼ほど三振を取れる若手投手はいません。
先発としてあらゆる奪三振記録を塗り替える姿を、甲子園から見ていた野球ファンも見たいのではないでしょうか。
ファンを魅了する野球のシーンといえば、豪快なHR、160km、そして三振です。
彼の左腕がたくさんの未来のプロ野球選手を生むことを期待したいです。
私はむしろ松井がクローザーに転向した際「向いてそうだな」と思いました。
と言いますのも私が思うクローザーの適正は「速いストレートを投げキレの良い変化球を1つ持っていること」「欲しい場面で三振を奪えること」=「1イニングで対策されづらいこと」だと思うからです(その点で考えると大谷投手もクローザーに向いているかなと思います)。
彼の場合150キロを超えるストレートに代名詞とも言えるスライダーがあり、最近ではチェンジアップもよくなっていること、そもそも力をセーブしながら投げるというより力投型であることを考えるとクローザー適正があるのでは?と思います。
また個人的に抑え不在と言われる日本の現状を考えると松井に日本を代表するクローザーになってほしいと思っている部分もあります。