嶋基宏(しま もとひろ)を、3行で
・東北楽天ゴールデンイーグルスの正捕手
・プロ野球選手会会長
・WBC日本代表捕手の一人
プロ入り当初は苦労した嶋
2006年に大学生・社会人ドラフト3位で楽天に入団した嶋は、今のポジションを築くまで決して順風満帆なプロ野球人生ではありませんでした。
初年度から当時の野村克也監督に見出され一軍で起用されてきた嶋は、
盗塁阻止率リーグ2位の.365と、肩ではアピールできたものの打率は.183と低迷。
捕手に必要なリードについても野村監督からは酷評され、”野村塾”での指導は相当厳しかったといいます。
当時の嶋は、外角一辺倒のいわゆる「逃げのリード」
投手との対話もうまく出来ておらず、精神的な未熟さも目立ちました。
有名なのが、
嶋の小学校時代の成績が「オール5だった」という話を聞いて、野村監督はそれを
「真面目すぎるゆえの弱点だ」
と考えたそうです。
真面目すぎる選手は、プロでは大成しない・・・
時にはリスクを恐れず勝負に出る、ハートの強い選手こそが一流になれるのだといいます。
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急成長したのは2010年
そんな嶋が、プロとして有名になったのが2010年
入団当初、打率.183と壊滅的だった打撃が、この年はなんと.315
捕手としてはかなりの高打率で、またこの頃から野村塾の成果を出し、キャッチングもリードも、一流レベルに成長しています。
ベストナインやゴールデングラブを初めて受賞したのもこの年。
田中将大との「最優秀バッテリー賞」はその後2度受賞しています。
名実共に球界最高のキャッチャーへと評価を高めたのはこのあたりからですね。
プロ野球選手会長へ
そんな嶋がプロ野球選手会長へ就任したのは27歳の時
当時阪神タイガースの新井貴浩から、
「お前しかいない。選手会を引っ張ってくれ。お前が引き受けてくれるまでこの電話を切らない」
そういわれ、新井の熱意に押し切られる形で、最年少の27歳で選手会長に就任したそうです。
ここでも責任感が強く、真面目な嶋の性格が垣間見えますね。
選手会長に就任した嶋は、以下のようなコメントを残しています。
「いままでの先輩が10年後、20年後を見据えて、やってきてくださったようなことを感じながら、僕も10年後 20年後にプロ野球がよりよくなるように頑張っていきたいと思います。」
プロ野球をよりよくしていく
嶋の決意の一言だと思います。
WBC日本代表へ
球界の主将(キャプテン)となった嶋は、実力は勿論、そのキャプテンシーを買われ、2017年WBC捕手代表に選出されます。
また同時に、チームのキャプテンにも任命されます。
実は、WBCキャプテンには巨人の坂本勇人がなるという案もあったそうなんですが、
嶋が代表に選ばれるなら嶋しかいない・・・と、
選手からの熱い支持を得て、嶋がキャプテンになったそうです。
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嶋は楽天で骨をうずめる?
ファンとしては気になるのが、このまま嶋は楽天で骨をうずめてくれるのか?ということ。
実は2015年に海外FA権を獲得した嶋ですが、権利を行使せずにチームへの残留を決めています。
現在32歳と捕手として油の乗った時期に入った嶋。
捕手寿命は一般的に他のポジションより長いとされており、あと7,8年くらいは嶋が楽天の正捕手を守ってくれそうですね。